呼吸の説の前にもう少しお付き合いください。

一分間の呼吸数は、毎分12~20回ということは、一日に約2万回ほぼ無意識に行われています。ところが、呼吸が5分止まれば死に至りますので、いかに生命維持に重要な生命活動か認識できます。また、心拍数は体の状態を把握するのに血圧同様に利用されているように、この二つも呼吸の状態によって大きく変わります。


一流のアスリートで呼吸をうまく利用しているのがわかるのが、イチロー選手です。まさしく侍のような雰囲気をまとっているわけですが、投手との勝負という緊迫した場面での球をインパクトする瞬間をビデオで見てください。彼は息を吐き続けています。

これはどういう意味があるかを説明します。 鍛え上げた筋肉で、打撃の瞬間息を止めてフルスイングをするパワーヒッターとは対極のものです。

まさに試合の最中や勝負の場面では、緊張と弛緩は意識的にコントロールすることが非常に難しいものです。なぜなら交感神経と副交感神経は自律神経だからです。落ち着け落ち着けと思えば思うほど緊張が増し、心拍数が上がっていきます。


ところが、一つだけこれを意識的にコントロールする方法があるのです。武道などの特別な呼吸法です。非常にたくさんありますので、効果が確かだったものを紹介します。

西野流呼吸法の足芯呼吸 足の裏(足芯)から息を吸う意識で全身にエネルギーを巡らせた後、足芯から息を吐くという、独自の呼吸法です。


大きな木が根から水分を吸い上げていくようなイメージで足芯(足の裏)から息を吸い上げます。足の中を通して丹田(下腹部)まできたら、肛門に軽く意識をおいたまま、背骨の中を通して百会(頭頂)まで吸い上げます。

百会で軽く息を止め、吸い上げたものを身体の前面を下ろし丹田に収め、そこから足芯に向って吐きだしていきます。途中で何度でも息継ぎして構いません。1回の足芯呼吸はおよそ2分かけてゆったりと行います。

つまり:
足芯(足の裏)―足の中―丹田(下腹部)(肛門に軽く意識をおいたまま)―背骨の中百会(頭頂):吸う 百会―身体の前面―丹田:止めるに収め、そこから足芯 丹田―足芯:吐く。


そして、最後に疲労回復の効果は実証されているスタンフォード式IAP呼吸法(腹圧呼吸法)と呼ばれるもので、慢性疲労に苦しんでおられる方は是非お試し頂きたいと思います。

1 .5秒かけて鼻から目一杯息を吸い込み、お腹をふくらませる
2.お腹をふくらませたまま、5~7秒かけて息を吐く




私も幼少より柔術柔道剣道で鍛錬をしてきましたが、そのなかで体得したのは呼吸の重要性でした。 効果があると思いますのでぜひ試して頂きたいと思います。